天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

河津桜

松田町松田山にて

 もう人出は少ないだろう、さくら祭も16日で終ることだしと思って、松田山の河津桜を見に行った。神奈川県に住んでいない人のためにすこし説明すると、松田町は足柄上郡に属し、秦野町、山北町、小田原町開成町に囲まれている。松田山は公園になっていて、ハーブ園や河津桜の森がある。桜の森といっても遠くから見ると一塊の雲にすぎない。
 ところが、平日にも関わらず、えらい人出である。しかも高齢者ばかり。菜の花が咲き、桜は満開で目白が飛び交っている。風景については、なにも不平を言うところはなかったが、大勢の人に恐れをなして早々に引き上げた。


     串刺の山女炙れる炭火かな

      
  目白らは河津桜の紅雲に隠れて見えず声うつるのみ
  あたたかくなりて動きの機敏なる目白の群をカメラ撮り得ず
  数百の手を伸ばしたり蔦生ひて張間田橋の支柱にからむ