天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

花水木

藤沢・遊行通りにて

 北米原産のミズキ科の落葉小高木。大正初年に渡来した。四、五月に四枚の大きな花のように見える白色、淡紅色の総包片の上に、黄色を帯びた小花をつける。幹には樹液が多い。アメリカ山法師とも。




      水木咲いて中宮門主の恋古りし   渡辺水巴
      庵ちさし深山みづきの花蔭に    伊藤柏翠


  花水木今日ひらひらと咲きゐたり憂ひを遠く送るごとくに
                       長沢一作
  花水木はなびら展べて咲く街に風漂へりたのめなきまで
                       尾崎左永子  
  夜の乳流るるそらへ赤き葉のはなみずきの木ののびあがりけり
                       阿木津英


 花水木を街路樹にしている町は、関東には割りと多いように感じる。都内の銀座近く、伊勢原、藤沢 など。


      花水木遊行通りに正午告ぐ
         
  窓越しに水木の花のちるを見る遊行通りのディスクジョッキー
  日曜のディスクジョッキーとめどなし遊行通りに花水木ちる