天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

小賀玉

鎌倉・大塔宮にて

 「おがたま」はモクレン科の常緑高木。高さ20m、太さ70cmに達する。葉は榊と同様神社に供え、香料ともなる。招霊(おきたま)が転化した名前らしい。写真は鎌倉・大塔宮の社務所前にある木で、鎌倉市が昭和47年に天然記念物に指定したもの。そこにある説明によると、天宇受賣命(あめのうずめのみこと)が天岩戸の前で神楽を舞った時、この枝を持っていたと伝えられ、鈴様の実を結ぶため神楽鈴の起源になったと言われる。


  しづかなる約を果たしてこの年も招(を)が魂(たま)が咲く
  きさらぎの部屋              斉藤 史
                       
  鎌倉の宮の斎庭(ゆには)の小賀玉をまたきて仰ぐ魂に逢ふがに
                       大塚布見子
  思ひいづる旧きよきこと語りあふをがたまの花匂ふ夕ぐれ
                       北沢郁子