天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

うらしまそう

相模原城山・かたくりの里

 サトイモ科テンナンショウ属の多年草。北海道から九州北部の平地や低山地の野原や林に生える。4月から5月に紫黒色の仏炎包が出て、中に肉穂花序をつける。浦島太郎が釣糸を垂れている様に見立てた命名である。


  父征きし故郷の浜に糸たれて咲く花浦島草と
  呼ばれき           東 淳子
                       

写真のものは過日、相模原城山・かたくりの里で見かけて珍しいと思い撮影したのだが、驚いたことによく訪れる藤沢市新林公園の里山には、たくさん生えていることを知った。ひさしぶりに出かけて気付いたのである。


      花ちれば旅に発ちたし浦島草


  橋桁のパイプの穴に雛の声チョウゲンボウが空に帰り来
  葉桜にのこれる花がちりかかる川辺に白きこでまりの花
  小学校一年生に代掻きをやってもらふと「ふれあいたんぼ」
  しろじろと鳥の糞尿乾きたる羊歯たくましく里山に増ゆ