天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

津久井湖城山公園

津久井湖

 JR橋本駅北口から三ケ木行きのバスに乗って津久井湖展望台で下車。
 城山というが、文字通りもともとこの山に城があった。鎌倉時代に三浦党の筑井氏が築城したと言われ、本格的に城と使われ始めたのは戦国時代の後北条氏の時であった。だが、内藤氏が城主の時、豊臣秀吉小田原城攻めで、北條氏の他の城と共に落城した。隣接する津久井湖相模川の中継地点であるが、ダム湖なので、当時には無かったらしい。
 城山の城跡を歩き回った。炎熱の中、道に迷った。熱中症寸前になってなんとか帰りのバスに乗ることができた。帰宅して、カマンベールチーズ、鮭トバ、焼きシシャモ、冷やし中華 など食べながら、ロックの芋焼酎をぐいぐい飲んでやっと生き返った。


  一筋の川遡る山奥に水たたへたる湖はあり
  湖を母とし生れし一筋の川に命をつなぐ村里
  大いなる江川檜の蜘蛛の巣にかなかなかなと鳴きにけるかも
  猪の爪跡ならし城山の片辺の道に土掘られたる
  秀吉の小田原攻めに落ちしとふ山の険しき津久井の城も
  夜更けて人寝静まる城山の檜の森をムササビが飛ぶ
  ムササビのねぐらはいづこ城山の杉の木立に目を凝らしたり
  みどり濃き水をたたへてしづもれる城山ダムの水門に立つ
  城山の頂ゆ見る湖は山のみどりを容れてしづもる
  湖と湖つなぐ山河に釣糸垂れしわれならなくに
  わが去りし山の空なる雲の峯裾に雨雲けぶりたる見ゆ