天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

魚の直売

片瀬漁港にて

 近年整備された片瀬漁港には、それほど多くの漁船は係留されていない。水揚げされた釣果は、片瀬漁港で直に売るようにもなっている。「直売所」の幟がはためいているので分かる。覗いてみたが、スーパーで買う値段と大差ないように思えた。新鮮さを買うのだろう。
 境川の河口にあるこの漁港から、川沿いに上流に向って藤沢の新林公園まで歩いてみた。先の白鷺の画像はこの折に撮ったものである。


      釣り上げし河豚ふくらむや秋の風
      係留のロープにとまる鷺の秋
      嵐去ってしきり鯔とぶ朝の川
      ざくろや鳥に食はれてがらんどう


  朝獲れしイワシ、カワハギ、アジ、マダイ片瀬
  漁港の旗「直売所」


  係留のボート少なき連休の川岸に釣る 鵠沼なれば
  羽ばたきの音たくましく鵜の鳥は朝日の中を川下へとぶ
  ときに跳び岸辺の苔を食みのぼる鯔の大群秋ふかみかも
  首のばし水面みつむる白鷺の足がつかめる係留の綱
  係留の綱にとまれる白鷺は水面みつめて身をかがめたり


  もみづれる欅並木の木漏れ陽は朝のさむさを
  ささめくごとし