2010-02-12 薄氷 うすらひ、うすごほり。早春にうっすらと張る氷、あるいは解け残った氷。 葛桶に薄ら氷ゆらぐ宇陀にをり 能村登四郎 田の面やや傾いてをり薄氷 有働 亨 雁過ぎし空がのこりてうす氷 山上樹実雄 朝な朝な湖(うみ)べにむすぶ薄氷晝間はとけて日永(ひより) つづくも 島木赤彦 薄氷のとけてにじみてしづくする其の閑かなる音を待つなり 両角千代子 さらさらと澄みたる音に鳴り寄りて水際にゆるる湖の薄氷 武川忠一 薄氷を踏み走り来ていまわれは火の棘となりちかづきゆかむ 角宮悦子