天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

翡翠

横浜市舞岡公園にて

 カワセミブッポウソウカワセミ科の鳥。文字通りヒスイと呼ばれることもある。古くはソニドリとかショウビンと言った。シャボン玉の見え方と同じ原理(構造色)により、光の加減で青くも緑色にも見える。俳句では、夏の季語だが、冬でもよく見かける。


  よろこびかのぞみか我にふと来る翡翠の羽のかろきはばたき
                         片山広子
  かはせみが一瞬の瑠璃朝あけは神も油断のことあるごとし
                         安永蕗子
  耳朶に触る、夜のみなかみの声すなり翡翠ひそむ髪にあらずや
                         前登志夫

 カワセミが生息する谷戸の池の周辺には、素人カメラマンが大勢、朝早くから望遠レンズを付けたカメラを据えて、シャッターチャンスを待っている。


  枯葦の穂先にとまる翡翠は池見下して身じろぎもせず
  翡翠の臙脂の胸毛そよがせて風わたるなり枯葦の池
  翡翠の発つたまゆらを連写せるシャッターの音朝のしじまに