天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

若宮大路の桜

鎌倉若宮大路にて

 この日、若宮大路段葛の桜並木は満開であった。正確に言うと段葛の桜並木のことである。段葛とは若宮大路のなかで、二の鳥居から鶴岡八幡宮までの車道より一段高い歩道をいう。鎌倉時代は作道と呼ばれていたらしい。その昔、雨が降ると若宮大路に土砂や水が流れ込み、道がぬかるんで歩き辛くなるために、一段高い道を増設したのが始まりという。頼朝の夫人・北条政子が、二代将軍・源頼家を懐妊した時、安産を祈って養和2年(1182)に北条時政御家人と共に土石を運んで築いたのが、はじまりという話もある。


    花せまる若宮大路段葛
    まなかひに赤き鳥居のさくら道
    魚はねて桜の影のゆらぎけり
    菜の花のかをりをふふむ金平糖
    万愚節星のなみだの金平糖