天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

木五倍子

逗子市鷹取山にて

 「きぶし」と読む。キブシ科の落葉低木。葉のでる前に枝先に花穂が並んで垂れ、四弁の淡い黄花をびっしりとつける。雌雄異株。果実は黒色染料になる。また材は、杖・柄・楊枝などになる。果実に含まれるタンニンが、黒色染料の五倍子(ぶし)の代用になるところから命名された。


  指に触れ淡ききぶしの花房のしだれて繁し月光に濡る
                    近藤芳美
  きぶし咲きとさみずき咲き繰り返す年々の春いまだ早けれど
                    近藤芳美
  立ちながらわれは衰ふ百千のなんばんきぶし萌ゆるをみれば
                    馬場あき子