天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ななかまどの花

横浜市俣野別邸庭園にて

 ナナカマドは山地にはえバラ科の落葉高木。秋になる実や紅葉でよく知られているが、梅雨時期に咲く白い花は、地味なので気づくことは稀である。


  ななかまどに花咲き初めぬ手を垂れる如きがあはれまして
  梅雨のあめ               春日井政子


  隧道を出てななかまど咲く駅よ其の日に帰る旅もさびしく
                       近藤芳美
  若木なるななかまど咲く人の庭雨ふる路地にその房を嗅ぐ
                       田谷 鋭