2011-05-04 松の花 松は、晩春、単性花を雌雄同株に開く。雌雄花ともに花被はなく、雌花は球状に集まって新芽の頂につき、雄花序は穂状で新芽の下部に密生する。果実は、多数が集まって球果をなし、松かさと呼ばれる。 生きてまた松の花粉に身は塗(まみ)る 山口誓子 指弾して指黄に染まる松の花 野瀬潤子 雪つもる年のしるしにいとどしく千歳の松の花さくぞ見る 金葉集・藤原頼道 松の芽の尖くれなゐにうねる日をいだける生は何を蔽はむ 河野愛子 郭公は十日ほどゐて去りぬらし松の花咲くころ空濁る 石川不二子