天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

花いばら

横浜市舞岡公園にて

 茨は、古くは、うまら、うばら と称した。イバラは、とげのある低木類の総称で、カラタチ、ノバラなども含む。


  ここかしこ岸根のいばら花咲きて夏になりぬる川ぞひのみち
                      木下幸文
  旅衣わわくばかりに春たけてうばらが花ぞ香に匂ふなる
                      加納諸平
  五月雨になりたるならむ街うらににほひ著るき野茨の花
                      島木赤彦
  そことなく茨はなにほふ六月の野なりわがつかまへる何ものも
  なき                 前川佐美雄