天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

野分・台風(1)

寒川神社境内にて

 相模線の宮山駅で下車し、台風十五号の過ぎた後の相模川を見に行った。護岸のコンクリート堤が水面下に隠れるほどの水量が静かに流れる様は不気味であった。その後、寒川神社に寄り台風の影響があったかどうか確かめた。境内に立つ無患子の大木から大量の実が落ちていたのが印象に残ったが、他には目立った被害はないようであった。


     袋ごと梨ふき落とす野分かな
     相模川堰にとどろく秋出水
     拝殿の屋根の反り見る簾かな
     静まりて水位あげたる秋出水
     小屋ひとつ中洲に見えて秋出水
     無患子の黄が散り敷ける野分後


  拝殿の屋根の反り見る簾には紺のしぼりのあさがほの花
  なみよろふ丹沢の山にかかれるは台風一過の形見白雲


[注]この記事の内容は、台風15号が過ぎた9月22日のもの。