天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

残暑雑詠(4)

寒川神社参道

 あまりに髪が伸びて暑苦しいので、ひさしぶりに理髪店に行った。別の日、JR相模線の宮山駅で下車し、寒川神社に行き境内を散策の後、参道を歩いて水道記念館に入り、見学の後さらに寒川駅まで歩いた。


     風に揺れトンボとまれる稲穂かな
     一ノ宮参道並木蝉しぐれ
     ゑのころや犬の風呂屋に客を見ず
     校庭に子ら整列の残暑かな


  雛たちが巣立ちし後の鳥の巣か刈り落されしわが髪を見る
  わが目には区別つかざり羽透けるミンミン蝉とつくつく法師
  ぬばたまの黒き揚羽のむらさきの紋はぎらりと木洩れ日に濡る
  里山の池の水面に亀浮きて秋の日差に目をつむりたり
  町なかに一軒のこる藁葺の農家の庭のキバナコスモス
  原子炉の埋葬場所は無いといふ断層多き日本列島
  相模之国一ノ宮出で参道の楠松桜の木蔭を伝ふ
  江戸の世に水を通せし木管の切口を見る水道記念館
  大記録残しし後を楽しめり一兵卒としてイチロー
  ICHIメーターに代りて貼れる「K」パネルいつもの席の
  ファンの女性は