天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

小春日の江ノ島

江ノ島にて

 いつの間にか中津宮の境内に水琴窟が出来ていた。入口に「水琴窟 奘瞭停」の看板が立っている。水琴窟は江戸時代の庭師が考案したという。地中に甕を埋めて空洞を作り、そこに手水鉢や柄杓などからの水の滴りが反響して、琴の音色に聞こえるようにした仕組である。


     ひさかたの光まとひて銀杏散る
     小春日の山裾かすむ白き富士
     明鏡が写す椿の奥津宮
     江ノ島の松籟を聞く石蕗の花

     
  もみぢする前に散りたり遊行寺の見るに耐へざる今年の銀杏
  バタバタと水面を駈けて飛び立てる海鵜は朝の富士に向かひて
  江ノ島の断崖を発ち釣人の頭上に舞へる鳶の喉笛
  大いなる銀杏の幹を輪切にし腰掛とせり江ノ島神社
  色づけるモチノキの実の下に咲く朝日まぶしき水仙の花
  龍の吐く水を柄杓に受け流す水琴窟の音のかそけさ
  シベリアの凍土にねむるマンモスを起こさむとする遺伝子操作


[注]29日から2泊3日にて忍野八海、河口湖、富士サファリパーク
  などで遊んできました。ホテルにはパソコンがなかったため、帰宅
  してからのアップロードになり、少し遅れてしまいました。