天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

楢の木

南足柄丸太の森にて

 ブナ科の小楢、水楢をさし、共に山地にはえる落葉高木。小楢は高さ17メートル、水楢は高さ30メートルにもなる。小楢は東日本で椎茸のほだ木にされる。


  下野美可母(みかも)の山の小楢のすまぐはし児ろは
  誰が筍(け)か持たむ     万葉集下野国の歌


  静心ひとめをいとひ秋山の楢葉もみぢの根を踏み登る
                     若山牧水

  これが米をつくる百姓の
  食いものかと
  楢の木の実を
  ころがしてみる。           渡辺順三


  わらじ虫ふかく眠らせ楢の木の葉の暖かさ土に降り積む
                     石本隆一
  水楢の林にくらくまもられてわれ立てりけり黄葉(もみ
  じ)流るる               阿木津英