天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ヨシキリ

オオヨシキリ

 日本には大葭切(翼長8.5cm)と小葭切(翼長5、.5cm)の2種類が夏鳥として渡来する。前者を通常「ヨシキリ」と呼んでいる。水辺の葦原でギョギョシギョギョシと鳴くところから、「行々子」の名もある。葦の茎を組み合わせて椀形の巣を作る。カッコウによく托卵されるらしい。


     よし切のひねもす啼いて水長し  尾崎紅葉
     葭切に空瓶流れつく故郷     藤田湘子
     葭切や夕日落下をやめている   高野ムツオ


  川ふたつ注げるところ豊里の葦の入江によしきりの鳴く
                    江畑耕作
  一穂の水辺の茎を掴むほかすべもあらぬかゆらり葭切
                    津川洋三
  きりきりと葭切りが鳴く鳴かぬ間の虚実ひたすら夏の川逝く
                    安永蕗子
  午前二時川原葦原暗くして葦切鳴けり 神は人の影
                    高野公彦


     よしきりのこゑなつかしき酒匂川


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