2012-09-18 梨(2) 昭和三十年代になって、甘味の強い新水、幸水、豊水などが栽培の主流になった。近現代の俳句、短歌に詠まれた例もあげておく。 通夜の梨さくさく噛んで人少な 上村占魚 長十郎この重たさが友の情 中嶋秀子 梨狩の抱いてもらひし子供かな 細川加賀 梨の実の二十世紀といふあはれわが余生さへそのうちにあり 佐藤佐太郎 梨の実のうちがはに白き風たちてはろばろと闇に入りゆきし人 高野公彦 雨やんで虹がうまれたその下にごろんごろんと梨の実熟れる 青柳守音