天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

切手

中国の切手の例

 現在はもっぱら郵便切手の意味で使われているが、もとは関所の通過や乗船など際の通行証を意味した。その後、金銭の受取や預かりの証拠の券を差すようになった。切符と手形の双方の役割を合せて切手と呼ばれた。


  この手紙赤き切手をはるにさへこころときめく哀しき
  ゆふべ                若山牧水


  彦根屏風、方寸黄金の切手にて禿(かぶろ)のゐたり遊び
  女ゐたり               葛原妙子


  ゆとりある人の如くに切手買ふ列に加はれば梅が香にほふ
                     田谷 鋭
  切手には横顔の少女描かれてよこむきのまま雨を見ており
                     後藤由紀恵