2013-04-14 山桜(2) 次に近代短歌から。 緋縅(ひをどし)の鎧を着けて太刀佩きて見ばやとぞ思ふ 山ざくら花 落合直文 うすべにに葉はいちはやく萌えいでて咲かむとすなり山桜花 若山牧水 山ざくら咲きたるところとほり行き心はきよし言ひがてなくに 斎藤茂吉 夕づきて渓間の風の寒けきに吹きあふらるる山ざくら花 大悟法利雄 目さむればいのちありけり露ふふむ朝山ざくら糠にふれゐて 五島美代子 山ざくら白じろ群れて大き山目ざめ見はれる瞳のごとき 窪田空穂