天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

彗星(1)

ハレー彗星:米国NASAの天文ライフ

 太陽系に属する小天体で、今までに約2100個が知られている。太陽を焦点とする楕円軌道と放物線軌道が45%ずつ、双曲線軌道が10%程度あるという。楕円軌道をもつ彗星は、一定の周期で太陽のまわりを公転するが、周期200年以下のものは200個以下。中でもハレー彗星が有名で、76年周期。1986年3月に現れた。この秋にはまた肉眼で見える彗星が現れるらしい。


  寒き靄たちゐる地平僅かのみ宵(よ)ごとに見ゆる彗星を待つ
                    竹内邦雄
  ハレー彗星は刻々接近するといふぬばたまの宇宙のまほら
  の闇を               宮 柊二


  ハレー彗星楕円軌道をゑがきつつ地球に近づく昭和六十一年
                    宮 柊二
  むらさきの彗星光る空ありと知りて帰るもゆたかならずや
                   佐藤佐太郎
  少(わか)くしてハレー彗星の尻尾といふ大き白光の中に入りし
  とぞ母は              森岡貞香


  彗星はこよひもつとも近づかむ喪服を着つつわれはおもふに
                    竹山 広
  眼に馴るるまでを彗星のかげを追う夜空のきわみさくら白むに
                    近藤芳美