天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

独楽(2)

片瀬独楽(片瀬漁港の広場にて)

 独楽は世界各地でみられ、それぞれ独自に発生したらしい。その歴史は古く、エジプトでは紀元前1500年ごろの独楽が発見されている。日本では、平城京跡や奈良県藤原宮跡などからも7〜10世紀ごろのものと思われる木製品が出土している。


  小さき手の手力(たぢから)つくしまはす独楽今はまはれよ
  この子のために              窪田空穂


  鞭ふりて寒き路上に独楽を打つ少年四五種類の甲だかき声 
                       宮 柊二
  運動をはじめし独楽が定めなく静かに位置を移しつつあり 
                      岡部桂一郎
  独楽は今軸かたむけてまはりをり逆らひてこそ父であること
                       岡井 隆
  立ち直り澄みたる独楽の一心の倒るるまでのかなしみ見つむ
                      馬場あき子
  まはされてみづからまはりゐる独楽の一心澄みて音を発せり
                      馬場あき子