天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

大寒(1)

霜柱(鎌倉・長谷にて)

 周知のように二十四節気の一。小寒十五日間のあとの十五日間。陽暦で一月二十、二十一日から立春までを指す。


  大寒に足袋をはかざる少女子に驚きてわれの街より帰る
                      山下陸奥
  大寒のさ夜のくだちに時定(き)めてわが目覚むるは妹(いも)
  の呼べかも               吉野秀雄


  大寒の日の夕焼くる西とほく富士を見てこころ充ちつつ
  かへる                上田三四二


  餅のかび百合の根などのはつかなる黄色もたのし大寒の日々
                     佐藤佐太郎
  一塊の石に日当る豊穣をたまものとして大寒に入る
                      安永蕗子
  出雲崎風に晒せる鱈の身の半ば透きつつ大寒至る
                     千村ユミ子


     大寒やまた誕生日巡りくる