天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

テレビ映像から

 植物としては、中国原産のウルシ科の落葉高木。表皮に傷をつけて採取する樹液は漆器材として古くから利用されてきた。


  崖のつちほろろ散る日の秋晴れに漆紅葉のさびしくも燃ゆ
                      若山牧水
  たらたらと漆の木より漆垂(た)りものいふは憂き夏さりにけり
                      斎藤茂吉
  うるしもみぢに気触(きぶ)れし胸よ終にわが生みて深まる
  日のなきままに             角宮悦子


  二千年水中にありし漆器にてその脱水に二年かかると
                      宮 柊二