天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

里芋

NHKテレビ「キッチンが走る」の映像

 2011年12月30日にとり上げているが、そこと重複しない作品をあげよう。里芋は熱帯アジア原産のサトイモ科の野菜。根が球茎で多くの節があり、そこから子芋、孫芋が育つ。俳句で芋という場合は、里芋を指す。秋の季語になっている。


     里芋の茎の太きも母郷なり      山口いさを
     八頭子をひきつれて掘られけり     川田和子


  芋の葉にこぼるる玉のこぼれこぼれ子芋は白く凝りつつあらむ
                       長塚 節
  里芋のこの新芋の胡麻あへはとろりととけて口にのこらず
                       吉植庄亮
  時を消すために見てゐる里芋のしげりたくましき赤茎もよし
                      佐藤佐太郎
  過労死に死ぬ毛根もあるならむ里芋の葉はみなちぢれたり
                       後藤直
  天に葉をかかぐる芋の青茎の入り乱れたり腐るるは土に
                       阿木津英