天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

大磯城山公園

大磯郷土資料館にて

 郷土資料館の建つ県立大磯城山公園は、縄文後期の遺跡のひとつであり、多数の横穴古墳が残っている。資料館の中には、発掘された竪穴式住居や横穴墓が復元されている。城山という名がついているが、文明九年(1477)長尾景春が謀叛して山内上杉顕定を滅ぼそうとした時、景春の被官・越後五郎四郎が篭った城があったという。明治時代には、この地に三井財閥が別荘を構えるようになり、以後庭園として整備されるようになった。敷地内には古寺社などの古材を用いてつくられた「城山荘」や、織田信長の弟で茶人の織田有楽斎が建てた国宝の茶室「如庵」などがあった。終戦時の財閥解体後は放置されていたが、昭和62年に公園として整備、解放された。


     骸骨の笑む資料館春うらら


  みどり濃き辛夷若葉にはげまされ歩み早むる駅までの道
  復元の横穴墓に身をさらし骸骨ひとつ笑ふかに見ゆ
  こゆるぎの大磯郷土資料館身元不明の骸骨ひとつ
  こゆるぎの磯の近くに住みつきし縄文人を土器に想へり