天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

光(4)

ハッブル宇宙望遠鏡の映像から

 太陽の放つ光は、強烈なエネルギーを持っている。それを電力に変換できれば、また蓄電できれば、これほどクリーンなエネルギー源はない。それを実現するのが太陽光発電である。原理は、半導体を利用して、光のエネルギーを直接的に電力に変える太陽電池を作ることにある。


  水銀の如き光に海見えてレインコートを着る部屋の中
                     近藤芳美
  遊ぶ子をまもりて妻のゐる草生木をあたためて秋の
  ひかりあり              前田 透


  まがなしき光流れてわだなかに一つ渦潮は生れつつあり
                     川口常孝
  男の胸は鋼のひかりもて鎧ふべし 血のなかの塩いたきかな
                     塚本邦雄
  冬ばれのひかりの中をひとり行くときに甲冑は鳴り
  ひびきたり              玉城 徹


  廃品のビン積む広場月の夜は鳴り出づるごと光乱るる
                    富小路禎子