天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

五月の風

新林公園の池にて

 里山の藤沢・新林公園を歩いた。新緑が薫る山道に汗をかいたが、目立った花はない。地面近くには、白つめぐさ、ハルジョオン、どくだみ、へびいちごなどを見るのみ。


  さまざまの小鳥のこゑの里山に風わたるなり木の葉
  そよげる


  どくだみの白とへびいちごの赤とならびて生ふる里山の道
  里山の公園にきて幼児(をさなご)をあそばす朝のママ
  とものむれ


  板塀の穴からのぞく溜池の水面かすむる翡翠のむれ
  溜池に生まれて若き銭亀は池に刺される杭にのりたり
  里山の池の水面に貌をだし亀の嗅ぎゐる新緑の風
  前足のひとつ失せたるチワワつれ公園をゆくサングラス
  の女(ひと)