天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

光(8)

珊瑚の発光(BSジャパンのテレビ

 自ら光る生物は地球上に4000〜5000種いるらしい。海洋に最も多く分布しているという。日本近海にも光るサンゴの大群落や、光る魚が舞い踊る光の楽園がある。ノーベル化学賞を受賞した下村脩氏が抽出に成功した蛍光タンパク質も、海の生物に由来する。


  億光年の光きららに基地の夜 核の冬など用意されつつ
                   向井毬夫
  いつせいに鴨の舞ひ立つ葦辺まで天つ光は降りそそぎゐる
                   大谷雅彦
  地に長く光を集め地に長く闇をとどめて人は生きる
                   宮崎信義
  光を一点に集めると海が焦げ出した私の好きな海だ
                   宮崎信義
  中庭に薔薇を育てて来し光ゆるやかに薔薇の枝を曲げたり
                   香川ヒサ
  杵のひかり臼のひかり餅のひかり湯気のひかり兎のひかり
                   穂村 弘