天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

蛭(ひる)

テレビの放映画像から

 環形動物ヒル綱の総称。池沼、水田、渓流などに棲む。魚や貝、動物や人の肌に九着して血を吸う。暗緑色で10cm余りの「馬蛭」、渓谷に棲む「山蛭」といった種類がある。俳句では、夏の季語。


     山蛭の落ちて浜名の勅願寺      浜田小枝


  井堰水ながるる中に蛭のゐて伸び縮みするは遊ぶらむかも
                       川崎杜外
  ひわ色の絹をかぎりなくひきいだす奇術師のその蛭のやうな指
                      真鍋美恵子
  アクロバティクの踊り子たちは水の中で白い蛭になる夢ばかり見き
                       斎藤 史