土用波は、晩夏の土用の時期に、発生する大波である。遠洋に存在する台風の影響で起きる波で、正体は、うねり。
幾重にもうちあふごとく波さわぎ湧きたつ海を日は
照らしたり 佐藤佐太郎
あたらしき風涛三百六十の日々を凌がん健やかにして
佐藤佐太郎
押し寄する大波緑(あを)く立ち上り晩夏は寂し海も人らも
島田修二
起ちても涛(なみ)かがみても涛どうしやうもなくて
見てゐる高志(こし)の冬涛 木俣 修
ことごとく陸(くが)に寄り来る海の波淋しさわれに
折り重(かさ)なりて 福田栄一
退く波の痕(あと)たちまちに乾きつつ粗きいさごに
昼の陽は照る 田谷 鋭