天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

波の歌(6)

チューブ波

 筒状の波をサーフィンでは、チューブと呼ぶ。チューブの中をサーフボードに乗ってくぐりぬける快感は、昔アメリカの映画をみて初めて知った。


  大き波たふれんとしてかたむける躊躇(ためらひ)の間も
  ひた寄りによる            木下利玄


  のびあがり倒れむとする潮波蒼々たてるたちのゆゆしも
                     木下利玄
  国の上に光はひくく億劫(おくごふ)に湧き来る波のつひに
  くらしも               土屋文明


  洲を越えて波は迫れば川ただに海に入る方にわが行きかねつ
                     柴生田稔
  いづこよりたちかへりこし春ならむ岩まの波はまだとけなくに
                    油谷倭文子
  風吹けば怒れる涛に洗はれて風格のある岩の群像
                     大野誠


[注]画像は、「【夏!】筒状の波、「チューブ」「バレル」の
   厳選画像【海!】」
   http://matome.naver.jp/odai/2127320363567930501
   から借用し、トリミングした。