天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

定家卿を訪ふ(4/7)

定家卿の肖像(webから)

 藤原定家鎌倉幕府源実朝と和歌を通じて懇意になることで、身代の安寧を図ろうとしていた。天皇上皇側と幕府側の勢力バランスを見て行動していた。



  実朝に万葉集を贈りては荘園安堵を要請したり
  力ある武家の娘を為家の嫁にもらひて盤石を期す
  「道のべの野原の柳」上皇の怒りをかひて謹慎の沙汰
  手薄なる軍備と知らず東国に義時追捕の宣旨は下る
  もののふを幕府にあつめ上皇の理不尽を説く北條政子
  歌道をば家道となさむはからひの子孫にのこす書写の数々
  順徳帝の佐渡へ配流を見送らずお家大事は為家もまた
  病みがちといへどはろばろ出かけたり京を離れて
  有馬出湯に