天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

空間と時間

ブラックホール(NASAによる)

 我々の宇宙は、138億年前にビッグバンという爆発によって、誕生し現在も加速膨張しているというが、その外側はどうなっているのか。
そもそも空間や時間の本質は何なのか。こうした素朴な疑問に対する回答は、古来、哲学、物理学などの分野でいろいろ考えられてきた。それらをフォローすること自体が困難である。
 現在のわが簡単なあるいは乱暴な理解を次に説明しよう。
宇宙には我々の感知し得るもの以外の宇宙も有り得る。我々の宇宙の外にも別の宇宙が存在するが、それは現在の観測でも理論でも知りえない。現在の我々は、ビッグバンから生まれた宇宙に住んでおり、その中のことしか知りえないのである。
 空間とは、もの・思考・感情・感覚の存在の抽象化(定量化)であり、時間とはもの・思考・感情・感覚の変化の抽象化(定量化)である。もののうちには、エネルギーや電磁場などから宇宙までを含む。もの・思考・感情・感覚の空間があって初めて時間が生まれる。その逆はあり得ない。空間が無ければ時間も無い。
 このように理解しておけば、わが心は安定する。ところで短歌には空間と時間のどちらが多く詠まれているであろうか。今後ご紹介するように、時間の歌が圧倒的に多いのである。


  年経れば時空に生くる哀しさは過去ふり返り身にしむばかり
  「イタリアの小さな村の物語」時空を超えて哀しかりけり