天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

新春の里山(藤沢新林公園)

新林公園の遊歩道

閑話休題
寒気がくる前の晴天の日を見計らって、久しぶりに初春の新林公園の山中を歩いてみた。古民家の裏手の山道登り口から入り、獣落し、見晴台、電力鉄塔下、冒険広場とたどって長屋門まで戻ってきた。広葉樹はみな落葉して裸木となり、見通しをよくしていた。ところどころの梢では小鳥たちが短く啼いていた。急峻な山道なのできつかったが、冬の運動不足の体には、ためになった。この時期は公園の梅の木にもまだ花は咲いていない。


     あらたまの春陽のベンチ老夫婦
     友を呼ぶ葉の無き枝に春の鳥
     見つめられ小枝に啼きぬ春の鳥
     落葉敷く山路に暗き獣(しし)落し
     

  初春の光あふるる公園のベンチにいこふ男女老いたり
  あづさゆみ春の日差しの里山の枯木の幹をリスかけのぼる
  鳥の巣かはた宿り木かふたつほど桜梢にかたまれる見ゆ
  一台のバス到着す車体には「新規霊園オープン」の文字


[参考]古民家と長屋門
新林公園は16haほどの面積を有し、なかなか広い公園だが、その内の75%ほどは山林が占めている。古民家は「旧小池邸」、小池家は市内柄沢村の名主を務めた旧家。1841年(天保12年)に建てられたもので、寄棟造の茅葺屋根、土壁。1983年(昭和58年)に新林公園内に移築された。
長屋門は「旧福原家長屋門」、福原家は江戸時代に名主を務めた旧家だそうで、この長屋門は江戸時代後半に建てられたものらしい。2007年(平成19年)10月から2008年(平成20年)12月にかけて移築復元工事が行われた。