天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

桜狩りー円覚寺

円覚寺から裏山を見る

円覚寺の拝観券の裏には、「禅のこころ」として、「大木に学ぶ」という一節が書かれている。
涅槃経には、涼しい大樹の下に坐れば自ずと煩悩が消滅すると説かれている。禅の修行も大樹のような人物になって世の中に木陰を作ってあげられるようになることを求めているという。
円覚寺境内には様々な樹木があるが、今回特に惹かれたのは、黄梅院にある大きな緑樹である。
名前は調べなかったが、大きく広げた枝についた緑葉の柔らかな色を下から見上げると、平和で静かな心境になった。これぞ「大木に学ぶ」ということを実感した次第。
毎年時期が来れば見に行くハクモクレンは、すでに散りかけていた。その代わり大木の辛夷の白い花がまだびっしりついていて壮観であった。北鎌倉の桜は、山々のあちらこちらに見える花のかたまりが見どころになる。


     裏山に桜点在円覚寺
     瑞鹿山こぶし大樹のうるはしき
     洪鐘(おほがね)の山に見わたす桜かな
     さくら咲く山の囲める東慶寺
     茶店にはうす皮饅頭桜狩り


  枝張れる緑樹の蔭に入りたれば心やすらぐ これぞ禅なり
  あちこちに桜咲く山見渡せり洪鐘弁天茶屋の抹茶に