天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

スポーツの歌ーマラソン

  マラソンの最後の一人うつしたるあとの玻璃戸に冬田しずまる

                       寺山修司

  アベベ走る群を抜きてひとり走るリズムに乗りて静かに速く

                       窪田空穂

  翳りなきもののうつくしさ抜き切りしマラソンのをとめ真向(まとも)よりくる

                      真鍋美恵子

  折り返すマラソン走者のおほきなる呼吸がわれの呼吸こえゆく

                       志垣澄幸

  ニセアカシアのひた走りゆく長距離(マラソン)走者(ランナー)の緋色の背文字

  滅びるなかれ               沖ななも

 

  折返し地点をマラソン選手等が徒労の如く返り行くなり

                       浜田康敬

  この街の海沿いの道をコースとし女子マラソンの走る日近し

                       俵谷晴子

 

ラソン