天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

終戦記念日(1)

終戦の詔の初めと終りの部分

 昭和二十年八月十五日、日本がポツダム宣言を受諾した。これにより第二次世界大戦終結した。以降、毎年八月十五日には、戦没者を追悼する行事が各地で行われる。お盆と一緒の行事になることが多い。俳句では、敗戦忌、終戦日、八月十五日などとも。


     終戦日妻子入れむと風呂洗ふ     秋元不死男
     堪ふることいまは暑のみや終戦忌    及川 貞
     裸寝の覚めて出歩く終戦日        林 徹


  新しき世に立つ子らは敗戦といふことを吾より早く忘れむ
                     松村英一
  国やぶれて唇紅きマグダレナ昼の巷にもの怖れなし
                     山田あき
  やぶれたる国に秋立ちこの夕の雁鳴くこゑは身に沁みわたる
                    前川佐美雄
  国やぶれ山河のもみぢかくのごと紅かりしやとおどろきて見つ
                     石川信夫
  銃身の菊花の章を潰せよいふ敗れし日より五日めのこと
                     岡野弘彦
  敗戦と決まりし夜もいのち強く花植えてゐし庭のえぞ菊
                    中城ふみ子