天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

秋茜

 短歌をつくる者にとって、中世歌謡は必修である。『梁塵秘抄』『閑吟集』までは読んでいたが、今回インターネットで『田植草紙』『山家鳥虫歌』『鄙廼一曲』『琉歌百控』の合冊、岩波書店新日本古典文学大系」を購入した。先ずは、塚本邦雄が絶賛して自然に暗記したという『田植草紙』の名歌謡を読んでみたい。ただ、快い歌として心に響くためには、特有のリズムを把握できなければなるまい。そこが実は一番難しい。


         水面に水噴き出づる秋茜
         靖国へ山下りて来し秋あかね


   白鳩の羽毛しらじら散る庭にわれをいざなふ秋の木漏れ日