冬晴れ
今日は、短歌人の今年最期の東京歌会であり、題詠は「指」。次の詠草を提出しておいた。
ゆびさきと指先ふれて見つめあふ人
生(う)むまへのイブとアダムは
ところが、出かける段になって、体がだるい。風邪をひいたらしい。大事をとってメールで欠席を伝えた。残念ながらこの詠草は批評の対象にはならない。その後、少し横になって様子をみていたが、散歩にはいけるだろうと、江ノ電に乗った。
高層のマンションの群寒波くる
風邪の身を電車にゆられ極楽寺
冬晴の鵠沼はしる電車かな
冬晴の逆白波を舫ひ船
山茶花や製薬鉢の水の面に
四天王の火炎光背もみぢ垂る
冬潮の白き奔馬や由比ガ浜
小春日の大尻ならぶ写経かな
写経する人の多きも年の暮
江ノ電を待つ小春日の竹とんぼ
風邪の身をキムチうどんにゆだねけり
七里ヶ浜稲村ヶ崎極楽寺風邪の身ゆらし江ノ電がゆく
白き毛に黒き目鼻がのぞきたり買物袋に犬入れて抱く
膝の上の袋に入りて顔だせる白き子犬が大欠伸(おほあくび)せり
素直には枝のばさざるさるすべりうねりくねれる冬晴の空
虚空蔵菩薩の御影壁に掛く 福と知恵賜べこのをさな児に
すぎこしの思ひはいかに老人が出世大黒天に手あはす
腰越の駅に停まればざはめきて大河ドラマの「義経」を言ふ
次第に熱が出るらしく体の節々がイラつく。早々に帰途についた。