先週、今週と取り上げられたわが作品を紹介しておこう。
「俳句四季」三月号、伊丹三樹彦選より
里山の日の斑にひろふ木の実かな
[評]里山といい、日の斑といい、言葉選びに秀れている。
そこに落ちているのは木の実だ。昔の人の暮しをも偲ば
せてくれるではないか。日の斑は、日の影をも意味する。
「産経歌壇」二月十一日、小島ゆかり選より
玉くしげ箱根を越ゆる駅伝の区間記録のまたあらたなる
[評]「玉くしげ」は「玉櫛笥」。「ふた」「ひらく」「はこ」
などにかかる枕詞でもある。駅伝の区間記録更新の話題を、
まことにおごそかに表現したおもしろい作品。