天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

川崎大師の池で

 爬虫類綱カメ目の総称で、約230種が現存する。三畳紀末の最古の亀と比べてもあまり変っていないという。頭頸部のひっこめ方によって、曲頸類と潜頸類の2種類がある。
 日本特産の亀は、潜頸類で石亀というが、その子が銭亀である。亀の子、銭亀は俳句では夏の季語。万葉集には長歌二首に詠まれている。


  ・・・ 図(ふみ)負へる神(くす)しき亀も ・・・
  ・・・ 卜部坐(す)ゑ 亀もな焼きそ ・・・


      銭亀売る必ず白き器にて     斎藤夏風


  石亀の生める卵をくちなはが待ちわびながら呑むとこそ聞け
                       斎藤茂吉
  水の底に仰向けになりてゐるといふ亀を恐れてわれは見ざりき
                       紫生田稔
  水近きあるところよりこつくりと空気重たし亀がゐるなり
                       小島ゆかり


      ひつじぐさ亀が見上ぐる観世音