天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

茅ヶ崎市日本庭園にて

 爬虫綱カメ目の総称。南極を除く各大陸および海洋に分布する。最古のカメの化石は三畳紀末期のもので、現生種とあまり変わらないという。現在、約230種が棲息する。
 万葉集には、長歌2首(50、3811)に詠まれている。俳句の季語には、「亀鳴く(傍題:亀の看経)」が春、「亀の子(傍題:銭亀)」が夏として、歳時記に載っている。


     亀の子のすつかり浮いてから泳ぐ  高田正子
     銭亀売る必ず白き器にて      斎藤夏風


  亀のをのやまのいはねをとめておつる滝の白玉千世
  の数かも            古今集・紀 惟岳


  カメを買うカメを歩かすカメを殺す早くひとつのこと
  終らせよ                高瀬一誌


  カメをぶら下げることはわが放浪のはじまりかもしれぬ
                      高瀬一誌
  亀眠るうすき瞼のうらがわを渉る乾坤初冬のひかり
                      永田和宏
  首をあげればそこがあの世というように薄目の亀が風
  を感じいる               永田和宏