天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

頬白

湯河原・幕山にて

 湯河原梅林で啼きつつ飛び移る数羽の頬白を見かけた。スズメ目ホオジロ科の鳥で全国に分布する留鳥。目の上下に走る二筋の白斑が目立つところからこの名前がついた。俳句では、まさに春の季語。和歌や俳諧に詠われ始めたのは何時の時代なのか?調べてみたが分からない。



      頬白や裾濃の靄に岳ひかる    千代田葛彦
      頬白や一の鳥居を湖のなか    宮川貴子


  高槻のこずゑにありて頬白のさへづる春となりにけるかな
                      島木赤彦
  忘れてしまつたひもじさの声澄み透りほほじろが冬を運んでをりぬ
                      馬場あき子


馬場あき子の歌は、八五七五十の詩型である。


梅の梢に止まっている時になんとか写真に収めることが出来た。遠くから倍率をあげて撮るので、視界に入れて焦点を合わせるのに苦労した。


      頬白がカメラ目線を気にしてる

  ホオジロのしましとどまる梅ヶ枝に蕾は白き光つけたり