天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

茅の輪

江ノ島にて

 江ノ島辺津宮には何故か真新しい茅の輪が置かれていて、人々が盛んにくぐっている。六月三十日や七月三十一日に行う名越の祓の際に置かれるはずだが。




  まばたきはシャッターとなり吾を見る蔓の
  きれはし咥へて鴉


  断崖を削りて建てし墓場にも花供へあり年ふるもなほ
  うつ向きて石段のぼる我が横に食事すすむる呼び込みの声
  思はざる高き音色に鳴りければ顔見合はする龍恋の鐘
  御神木公孫樹大樹のめぐりにはむすび絵馬とふ絵馬あまた垂る
  新しき茅の輪くぐりて辺津宮の鏡に祈る円満財宝