天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

新緑の中の鵙

鎌倉・長谷寺の裏山にて

 早朝に鎌倉の裏山ハイキングコースを歩いてみた。浄智寺口から入り、葛原ケ岡、源氏山公園、長谷大仏の裏山とたどり、極楽寺へ抜けた。後は江ノ電で藤沢へ帰るだけ。



      八重桜日野俊基の墓に会ふ
      江ノ電の窓にほほゑむ躑躅かな


  俊基卿終焉之地に石置けり元弘二年六月三日
  みぎひだり谷戸の奥処にひびかへる朝(あした)すがしき
  うぐひすの声


  花ちりし後を訪ぬる裏山は目路もはるけく新緑の海
  遠浅の海青白く凪ぎにけりねむれるごとき魚釣り小舟
  江ノ電江ノ島駅に活けられし今朝あたらしき極楽鳥花
  
長谷大仏の裏山で撮った写真の鳥は、初め何鳥か不明であった。野鳥図鑑を調べて鵙と分かった。この時期に見かけることは大変珍しく、まさに次の牧水の歌のとおりであった。


  若竹に鵙とまりをりめづらしき夏のすがたをけふ見つるかも
                      若山牧水