天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

緑陰

円覚寺山門

 北鎌倉の円覚寺では、毎年この時期、方丈で夏季講座が開催される。聴講料は一回1200円。今年は、次のような演題。
22日: 白隠禅画の意味(芳澤 勝弘)、
     昭和世代からの遺言(野中 廣務)
23日: 肝臓外科医から見た生と死(幕内 雅敏)、
     日米関係の行方を考える(手嶋 龍一)
24日: はばたく映画人生(岸 富美子)、
     音楽とミジンコの不思議な関係(坂田 明)
25日: 手を合わせることの幸せ(一龍斎 貞花)、
     上を向いて歩けば、必ず運が降ってくる(マッシー村上)


     柏槇(びやくしん)の風の涼しき木陰かな
     池の辺に夏季講座聴く円覚寺
     鬼灯(ほほづき)に気付く朝(あした)の坐禅
     るりあげは聖観音ににぢり寄る
     洪鐘(おほがね)の黒きが下がる夏木立


  色あせし紫陽花の下山百合の受精をまちて朝をにほへり
  谷戸の水うすく流るる溝の上に水のみに来し黒瑠璃揚羽
  洪鐘の粒なす肌にじんじんとしみ透るなり松蝉の声