天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

釣舟草

舞岡公園にて

 ツリフネソウ科の一年草。北海道から九州、東アジアの低山地の谷間にはえる。全体に汁が多く柔らかい。夏から秋にかけて短い小柄の先に横向きに下垂した紫紅色の花をつける。


  釣舟草の花見まく欲り咲きそめく秋まで生きむ命を祈(ね)ぎつ
                      林 光雄


[注]林 光雄(1903−1997):
   福井県出身の歌人明治36年1月生まれ。
   花田比露思(ひろし)の「あけび」に入会。
   花田没後、主幹。「大和の旅」「幾山河」
   で短歌研究賞、「無碍光」で日本歌人クラブ賞
   歌集に「にぎたま」「白梅譜」など。
   小西六写真工業で専務をつとめた。
   平成9年8月、94歳で死去。