天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ミモザ

横浜薬科大付近にて

 オーストラリア原産、マメ科アカシア属の常緑高木。わが国には明治初期に渡来した。花が総状に咲くところから、房アカシアともいう。南フランスのカンヌでは、3月にミモザの「花祭り」が行われる。なお、銀葉アカシアという種類もある。


  南仏にミモザの花が咲き出せば黄のスカーフをわれも取出す
                     斎藤 史
  光量は誰のものともなき重さミモザ・アカシア両手に剩(あま)る
                     安永蕗子
  ミモザアカシア黄の花垂るる雨の街少年の日のまぼろしを置く
                     扇畑忠雄
  身を逼(せ)むる不文の掟と思ふ夜もミモザがこぼす黄なる花びら
                     大西民子
  助手席の窓にけむりのごとくきて雨に打ち伏すミモザ満開
                     青野里子